GLORY DAYS

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

力のない選手は虫ケラ同然の二軍

彼は、解雇される年のシーズン5月までは、イースタン・リーグの
ベストテン入りをするほどの打撃で、一軍入りを狙っていたが、
夏場に入って右ヒジを故障した。
それからはスローイングもままならない状態になっていたにもかかわらず、
首脳陣から“代わりがいないから出ろ”と言われ、試合に出続けた。

ヒジはさらに悪化し、シーズン終了後、彼は「ヒジの状態が悪いから」と、
来季に向けての黒潮リーグを「休ませてほしい」と申し出た。
しかし、このときも首脳陣に却下され、強制出場となった。
黒潮リーグを終え、秋季練習に入ってトレーナーから報告を受けた首脳陣は
「手術するよう」指示したという。
それから数日たって、浮島選手は球団フロントから呼び出しを受け、
突然の解雇通告を受けたのである。(中略)

二軍選手の手術代を球団が負担した例はないから―――。それが理由だったという。
聞いてみると手術費用は11万円。
当然なことながら、「現場に手術しろと言われたんだ」と彼は反論した。
「いや、現場は現場」とフロント。
「現場に命令されたってことは、球団に命令されたのも同じじゃないですか。
 手術ならクビとわかっていたら、手術しませんよ。
 黒潮リーグだって、痛いっていうのにいかされたんだ」

彼は故障を抱えながら試合出場を強制され、ヒジが悪化した経緯を説明した。
しかし、フロント側は「現場からはそんな報告は受けていないから」を繰り返すばかりだった。

翌日、彼はぼくにこのやりとりの様子を聞かせ、怒りとやりきれなさで震えていた。
「こんな形で野球人生が終わることになろうとは……」

後日、彼は選手会に訴え出た。
しかし、選手会という組織は、正式な労働組合ではないからか、
結局、協約違反にはならないから……、と口をにごし、うやむやにしたという。
選手会はFAなどを口にする前に、労働組合としての形をしっかり整備するのが先ではないか。
当初は選手の人権擁護を目的に発足したはずである。
いま、その目的はどうなってしまったのだろう。
(後略)

(NHK出版・小林至:『ボクの落第野球人生』より)
スポンサーサイト

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。