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第10章:多重債務者および保証人の連帯(商法511条の適用範囲)

1 民法の一般原則によると、債務者が数人あるときは、特約がない限り
各債務者は平等の割合をもって債務を負担し(民427条)、また、保証の場合において、
債権者と保証人との間に特約が存しない限り連帯保証とはならず、
保証人は従たる債務者として催告の抗弁権(民452条)や検索の抗弁権(民453条)、
さらに保証人が数人あるときの分別の利益(民456条)を有するとされる。
これに対し商法では、数人が1人または全員のために商行為たる行為によって
債務を負担したときは、各自連帯して債務を負担しなければならない(商511条1項)とし、
また、保証人がある場合において債務が主たる債務者の商行為によって生じたとき、
また、保証が商行為であるときは、主たる債務者および保証人が格別の行為をもって
債務を負担したときであっても、その債務は、各自連帯してこれを負担するとする。
(商511条2項)いずれも商事債務の履行をより一掃確実にするために、
民法の一般原則を修正したものである。

2 それでは、これらの商法の規定はいかなる場合にまで適用されるのであろうか。
まず、多数債務者の連帯性を定める商法511条1項から検討する。
本規定が適用されるためには、第1に、債務発生原因が債務者1人
または全員にとって商行為であることが必要とされる。
したがって、債権者にとってのみ商行為である場合には、本規定の適用はない。
ここでいう商行為は、債務者にとって商行為であれば絶対的商行為で足り、
当事者の商人性は問わないと解される。なお、この債務には同一性を有する限り、
債務不履行による損害賠償債務や契約解除に伴う原状回復義務なども含まれる。

第2に、債務が1つの行為、すなわち数人の共同の行為によって
生じたものであることが必要とされる。この共同行為とは、
数人が直接共同して行為をなし、あるいは数人の1人が
自己の行為とともに他方を代理する行為をなすことをいう。
なお、約束手形の共同振出行為についても、振出人全員のための商行為であるとして、
本規定の適用を認める見解もあるが、
しかし、各自独立した行為によって負担する債務であるから、
本規定の適用はないと解すべきである。

以上のように、債務発生原因が1人にとって商行為であれば
数人の債務者の債務は連帯とされるが、これによって、他の債務者の債務が
商行為性を有するわけではなく、商事消滅時効や商事法定利率が適用されるわけではない。
しかし、商法3条2項により、数人のうちの1人にとって商行為であれば
全員に商法が適用され、したがって、他の人の債務も商行為によって生じた債務と
同様の扱いを受けることになる。

3 つぎに保証人の連帯規定の適用範囲である。本規定が適用されるのは、
第1に、主たる債務が主たる債務者にとって、商行為によって生じた場合である。
主たる債務の発生原因が絶対的商行為であってもよく、
また主たる債務者が商人であることを有しない。
また、現存債務が商行為によって生じた債務と同一性を有する限り、本規定の適用範囲にある。
ただし、主たる債務の発生原因が債務者にとってのみ商行為であるときは、
本条は適用されない。

第2に、保証が商行為である場合である。これは商人がその営業のために
保証をなす(保証人のために商行為である)場合と解される。
商事保証を連帯保証とするのは、商事債務の履行の確実化という配慮のほかに
商事保証人には保証に伴ってなんらかの営利が帰属するのが通例であり、
商事保証を連帯保証としても、保証人には酷でないという配慮があると解されるからである。
したがって、商人がその営業のために商人でない者に保証をなさしめるような
(債権者にとってのみ商行為である)場合は、本規定の適用範囲には
含まれないと解すべきである。
これにより、債務者の商行為性のみを問題とする商法511条1項や
2項前段との均衡も維持できることになる。
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